ショートの撮影用セットを作る:コテージ・和の家・カフェ

この記事でわかること
- 家具のショートに「撮る場所」が必要になった理由
- 見栄えのいい家・庭のコツ(柱・張り出し・道を混ぜる・低い光)と、どこで使ったか
- 本番には建てず、撮影のたびに 3 秒で建て直すしくみ
- 座る・寝るを撮るために、場所をどう空けておくか
「ラクガキ街の優雅な1日」は、描いた家具が本物になって、それを使うところまで見せるショートです(作り方は 「優雅な1日」の作り方)。始めたころは、街の外の草原や林の空き地にぽつんと家具を置いて撮っていました。でも本数が増えると、どうしても絵が似てきます。それに、ベッドやドアは「部屋」や「家」がないと、それらしく見えません。そこで、撮影のための家を 3 つ建てることにしました。
草原に置くだけでは足りなかった
いちばんはっきりしたのはドアでした。最初の「朝のドア」の撮影では、石のテラスのまん中にドアが 1 枚だけ立っていました。開けて通り抜けても、何もない所を通るだけに見えます。ドアは壁にはまっていて、開けた向こうに別の場所が見えて、初めてドアらしくなるのだと気づきました。
ベッドも同じです。夜の草原にベッドだけあっても、「寝る」という暮らしの場面には見えません。描いた家具が主役でも、まわりに部屋や庭があってこそ「優雅な1日」になります。
まず「見栄えのいい家」の作り方を調べた
自分は建築がそれほど得意ではありません。そこで、建てる前に、見栄えのいい家・庭・街角の作り方をネットで調べました。正直、記事の質はまちまちで、自動で作ったような記事も多かったので、いくつもの記事で同じことが言われているものだけを使うことにしました。中心にしたのは、Minecraft 公式の「make your houses better」と、コテージの作り方の記事(minecraft.how)です。
| コツ | 使った所 |
|---|---|
| 角に柱(原木)を立てて、壁を 1 マス引っこめる | コテージ(トウヒの柱と白い壁)、和の家(濃いオークの柱と白い壁) |
| 屋根は壁より 1 マス外へ張り出す。てっぺん(棟)は少し高く | 3 つとも。コテージは急な三角屋根、和の家はゆるい寄棟と深い軒、カフェは日よけつき |
| 窓ガラスは奥に、外にトラップドアの雨戸、下に植木箱 | コテージ(雨戸は左右や開け閉めをわざとそろえない) |
| 土台に段をつけて、石レンガと丸石を混ぜる | コテージ、和の家(石の基礎に縁側をのせる) |
| 道は 1 種類にしない(土の道・粗い土・砂利・苔) | コテージの小道、カフェの広場のふち |
| 光はランタン。真上の光を避けて、低い位置の暖かい光にする | 3 つとも(吊りランタン・柱の上・石灯籠の中) |
| 花は同じものを並べず、ばらばらに散らす | コテージの花壇 |
| 和の庭は石灯籠・飛び石・砂利・竹・小さな池・低い生け垣 | 和の家 |
| 外の席はフェンスと感圧板のテーブル、階段の椅子、日よけ、吊りランタン、植木鉢 | カフェ |
そして、撮影用ならではの決まりを 1 つ足しました。座る場所のまわりは 2 マス以上あけて、カメラの通り道をつくることです。家としてはせまいほうが落ち着いて見えても、カメラが入れなければ撮れません。部屋の中は 1 面を大きな窓にして、外からも撮れるようにしました。
建てた 3 つのセット

洋風のコテージ

11×9 の平屋です。下の段は丸石と苔の丸石、上は白い壁にトウヒの柱と梁。屋根は 45 度の三角で、四方に 1 マス張り出しています。中には暖炉・本棚・たる・ラグ、天井の梁から吊りランタンを 3 つ下げました。東の壁は 6 マスの大きな窓で、外からも中が撮れます。外は、土・粗い土・砂利・苔を混ぜてゆるく曲がる小道、花壇、井戸、小さな畑です。
和の家

丘の上を石垣で平らにして建てました。部屋のまわりに縁側があり、縁側の側は障子を開けはなした形にしたので、庭から和室の中まで見えます。中は畳とちゃぶ台、床の間。庭は砂利と池、石灯籠 2 つ、飛び石、つくばい、桜、竹です。座布団の回のような「和」の家具を撮るときに使います。
カフェと広場


レンガの店に、白と緑のしま模様の日よけ、テラス席。前は石だたみの広場で、まん中に木と丸いベンチがあります。テラスのテーブルは 1 つ分だけ空けてあり、そこに描いた家具を置いて座る場面を撮ります。
3 つのセットには、それぞれ「家具を置いて座る場所」を 3 つずつ決めてあります。どの場所も、その 1 マスと上の 1 マスが空いていて、まわりは 2 マス以上あけてあることを、建てるときにプログラムで確かめています。
本番には建てない。撮るたびに 3 秒で建て直す
セットは、本番の「ラクガキ街」には建てていません。撮影用サーバーだけにあります。理由は 2 つです。
- 本番の街は住民の人たちと一緒に作っている場所なので、撮影の都合で勝手に家を建てたくない
- 撮影用サーバーは、撮るたびに本番のワールドを写し直す(最新の街で撮るため)ので、写すとセットは消えてしまう
そこで、セットを「建てる命令のかたまり(データパック)」にしておき、ワールドを写したあとに毎回建て直すことにしました。1 回にかかるのは 3 秒ほどです。建てる場所は、街の西の草原の、住民の家や畑がない所だけ。撮影用ではないフォルダ(本番のサーバー)を指定すると止まるようにもしてあります。

ゲームの中で見てみると
見本の絵はブロックの形をざっくり描いたもので、シェーダーを入れたゲームの中でどう見えるかは、撮ってみるまでわかりません。最初に使ったのは、コテージの部屋でベッドを撮る回でした。

「真上の光を避けて、低い位置の暖かい光」というコツは、シェーダーを入れると特によく効きました。暖炉とランタンの光が床や壁に広がって、草原で撮っていたころよりずっと暮らしの場面らしくなりました。
一方で、見本の段階でコテージの屋根が少し平たく、暗めの色に見えるのは気になっていました。ドアの回でも、草原にドアだけ置いたままでは開いても何も起きないように見えたので、ドアを壁や門にはめこむ撮り直しをしています(くわしくは コマ一覧での破綻チェック)。
建てるときに気をつけたこと
- 地形に合わせる:本番のワールドの写しを「読むだけ」で地図にして、地面の高さに合わせて敷地を平らにしました。まわり 4 マスは元の地面へなだらかにつないでいます。和の家だけは石垣(高さ 0〜6)で丘を平らにしました。
- ブロックの名前を確かめる:サーバーのバージョン(26.3)にないブロックを書くと、そこだけ建ちません。建てる前に、使うブロックの名前を一覧と照らし合わせています。
- 前の撮影の場所と重ねない:それまでの下見で決めたカメラの位置と重ならない場所を選びました。
撮影用の場所を「一度建てて終わり」ではなく「毎回建て直すもの」にしたことで、形を変えたいときも、プログラムを直して次の撮影から反映するだけになりました。本番の街に手を入れずに、撮影の場所だけを好きに作り変えられるのが、いちばんの良さだと思っています。