YouTube API で予約投稿と数字の分析をしてわかったこと

この記事でわかること
- 自分用の予約投稿ツール「ラクガキ街 投稿」でやっていることと、審査前の注意
- ショートの再生は、最初の約 1,000 人の反応で止まっていた
- 再生といちばん関係が強かったのは「すぐ飛ばされなかった割合」(順位の相関 0.49)
- 長い回・答えを見せたあと・最後の告知で人が離れていた
ショートを毎日 2 本出すようになって、2 つの手間が気になってきました。1 つは、決まった時間に投稿する作業そのもの。もう 1 つは、YouTube Studio を 1 本ずつ開いて数字を見くらべる作業です。どちらも YouTube の公式の API を使えば、自分の PC から自動でできます。この記事は、その準備でつまずいたところと、数字を並べてわかったことのまとめです。
ここで使った数字は、自分のチャンネル(@Kujo_Hey4)のショートのうち、数字がそろっていた 18 本だけです。本数が少ないので、ここに書くのは「はっきりした決まり」ではなく「自分のチャンネルではこういう傾向があった」という話です。
自分のチャンネル専用の予約投稿ツールを作った
ツールの名前は「ラクガキ街 投稿」です。ほかの人に使ってもらうものではなく、自分のチャンネルを管理するためだけに、自分の PC で動かしています。やっていることは次の 3 つです。
- 自分で作ったショートを、決まった時刻(毎日 7:00 と 18:00)に予約投稿する
- 投稿した動画を、自分のチャンネルの再生リスト「ラクガキ街の優雅な1日」に入れる
- 自分のチャンネルの数字(再生回数・視聴維持率など)を読んで、動画づくりに生かす
ツールの説明は ラクガキ街 投稿のページ に、データの扱い(数字と許可の鍵は自分の PC にだけ置き、ほかの人には渡さない)は プライバシーポリシー に書いています。
予約のしくみ
投稿したい回は、予約表(1 つのファイル)に「公開日時・タイトル・説明文」を並べておきます。Windows のタスクが 1 時間ごとにこの表を見て、公開の 20 時間前を過ぎた回を、公開日時つきで YouTube に予約投稿します。
大事にしているのは、「できあがりチェック」が済んだ回しか上げないことです。ショートは 1 本ずつコマを並べて、埋まり・字のかぶり・変な音などを確かめています(コマ一覧での破綻チェック)。チェックが「OK」になっていない回は、時間が来ても上げずに記録だけ残します。試しにチェック前の回で動かしたら、ちゃんと止まりました。同じ動画を 2 回上げないように、上げた記録も残しています。PC が止まっていて時間を過ぎたときは、3 時間以内ならすぐ公開し、それより遅れたら上げません。
準備でつまずいたところ
API を使うには、Google Cloud でプロジェクトを作り、YouTube の API をオンにして、「このアプリが自分のチャンネルを使ってよい」とブラウザで許可を押します。パスワードは Google の画面にだけ入れるので、ツールの側が知ることはありません。
つまずいたのは 2 か所です。
- 許可が 7 日で切れる:アプリの設定が「テスト中」のままだと、許可が 7 日で切れます。「本番」に切りかえるには、ホームページ・プライバシーポリシー・利用規約の URL を、自分が持っているドメインで用意する必要がありました。このサイトのプライバシーポリシーに YouTube API サービスの項目があるのはこのためです。
- 審査前は非公開になることがある:新しく作った API のプロジェクトから上げた動画は、YouTube の審査(監査)に通るまで、非公開に固定されることがあります。そこで審査を申し込みました。使う機能は、動画を上げる・状態を見る・再生リストに入れる・タイトルを直す、など必要なものだけにしぼり、ほかの人の動画を探す機能(1 回で使う量も多い)は入れていません。「自分のチャンネルだけ」という説明のほうが、審査でも伝わりやすいと考えたからです。
審査は 2026 年 10 月 16 日に申し込み、今は結果を待っているところです。結果が出たら、この記事に書き足します。
数字を読むほうの API(YouTube Analytics API)は、読むだけなので投稿のような審査はありません。許可を押したその日に、新しい順に 60 本分の数字を取れました。
わかったこと 1:ほとんどの回が「最初の約 1,000 人」で止まっていた
日ごとの再生を並べると、どの回も形がよく似ていました。いちばん再生が多いのはほぼ公開した日で、その数は 975〜1,175 回。題材がちがっても、だいたい同じところで止まります。次の日からは、ひとけた〜数十回しか増えません。
YouTube はショートを、まず一部の人に見せて、その反応がよければもっと多くの人に見せる、と説明しています。自分の回の多くは、この「最初のおためし」の約 1,000 人で合格できず、その先に出されていなかったのだと思います。おためしを抜けて 2 日目以降も伸びたのは、18 本のうち 2 本だけでした。
わかったこと 2:いちばん効いていたのは「すぐ飛ばされなかった割合」
では、合格する回と止まる回は何がちがうのか。API で取れる数字のうち、「エンゲージ ビュー」(再生が始まったあと、ちゃんと見られた回数)を再生回数で割ったものを、すぐ飛ばされなかった割合のめやすとして使いました。YouTube Studio の「視聴された/スワイプされた」とまったく同じものではありませんが、近いものと考えています。
いちばん上のグラフは、横がこの割合、縦が広告をのぞいた再生です。順位で見た相関を出すと、次のようになりました。
| 数字 | 再生との順位の相関 |
|---|---|
| すぐ飛ばされなかった割合 | 0.49 |
| 平均で見られた割合 | 0.20 |
| 最後まで見た割合 | 0.19 |
| 冒頭(10% の所)で残った割合 | 0.05 |
| 長さ | −0.25 |
つまり「見始めた人がどれだけ残ったか」より、「そもそも飛ばされなかったか」のほうが、再生と関係が強かったということです。飛ばされなかった割合が 48〜58% の回は上か上のほう、23〜28% の回は下か並でした。
印象に残ったのは、シリーズの「第5話」とだけ書いた回です。見た人の残り方は 18 本でいちばんよかった(最後まで見ていた割合 0.46)のに、飛ばされなかった割合は 23% で全体の最低、再生は 307 回で止まりました。中身ではなく、タイトルや最初の絵で「何の動画か」が伝わらず、見始めてもらえなかったのだと思います(ここは推測です)。
わかったこと 3:長いほど不利
長さでまとめると、差ははっきりしていました。
| 長さ | 本数 | 広告をのぞいた再生(平均) | 平均で見られた割合 |
|---|---|---|---|
| 25 秒以下 | 4 | 1,375 | 64% |
| 26〜31 秒 | 10 | 1,159 | 61% |
| 32〜60 秒 | 5 | 965 | 41% |
50 秒をこえた 3 本は、平均で見られた割合が 26〜44%、すぐ飛ばされなかった割合も 23〜35% と低めでした。いちばん伸びた 2 本は、どちらも 24 秒です。題材ごとの差も見ましたが、本数が 2〜4 本ずつしかなく、長い回が多い題材ほど下に来ていたので、題材より「長さ」と「最初の 1 枚」の差のほうが大きそうだと考えています。
わかったこと 4:答えを見せたあと、そして最後の告知で離れる

視聴維持率を重ねると、伸びた回は形がよく似ていました。最初は 1 より上(見直されている)→ 20% の所で 1 を切る → あとはなだらか。いちばん長い 58 秒の回(右の実線)は、最初から落ち続けていました。
もう少しくわしく見るために、「描いた絵が本物の家具になる」という 30 秒のショートを、秒ごとに場面と重ねてみました。


- 0〜4 秒(「描いたら…」→「本物のイスに!?」)は 1.07 前後で、ほとんど減らない。つかみは効いていた(この回の飛ばされなかった割合 58% は、18 本の中で上のなかま)
- イスが出た直後から一気に減る。6 秒 0.93 → 9 秒 0.68 → 12 秒 0.48 → 15 秒 0.36。ペット・バトル・家具と、話が次々に変わる所
- 後半の告知(オープン日・全機種 OK・Discord)でもじわじわ減って、最後は 0.05。ループしていない
「答え(本物になった!)を見せたあと、次の見どころがない」と、人はそこで離れます。最後に告知や Discord の案内をつけた 3 本は、どれも最後の所でガクッと落ちていました(ある回は 95% の所の 0.49 から、最後に 0.11)。逆に、最後まで見られてループしていたのは、24〜28 秒で 1 つのことだけを見せた回でした。
数字を見て、作り方をこう変えた
この結果を受けて、新しいシリーズの作り方を決め直しました(くわしくは 「優雅な1日」の作り方)。
- 長さは 15〜18 秒。のばさない
- 「本物になった!」の答えを 4〜5 秒目までに出す
- 答えのあとに、もう 1 つ見どころ(座る・灯す)を置く
- 最後に告知の画面を出さない。呼びかけは途中から上の帯に重ねる
- タイトルの先頭に「何の動画か」を書き、シリーズ名と番号は後ろにする
それから、毎日の見方も決めました。API の数字は 3〜4 日おくれて入るので、公開 1〜2 日目は Studio で「視聴された/スワイプされた」と再生だけを見て、4〜5 日目に全部の数字で合格かどうかを決めます。1 本ごとに変えるのは 1 か所だけにして、どの数字が動いたかを見ます。いっぺんに変えると、どれが効いたかわからなくなるからです。
新しい作り方の回は、2026 年 10 月 16 日から毎日 7:00 と 18:00 に出し始めたところで、まだ数字は出ていません。数字が出たら、上の 4 つの傾向が当たっていたかを、この記事に足します。